開幕戦から激闘。「Vマッチはやりたくない。緊張したけど勝てて良かった」(水谷)

木下マイスター東京 32 岡山リベッツ
1勝 1敗
1 丹羽孝希 11-5 9-11 7-11 上田仁
張本智和 森薗政崇
2 水谷隼 11-3 11-6 11-8 吉村和弘
3 侯英超 6-11 11-7 11-8 11-7 町飛鳥
4 張本智和 9-11 11-7 8-11 11-4 9-11 森薗政崇
5 水谷隼 11-6 上田仁

 

会場前に大勢の観客が詰めかける

 ついにTリーグの第2シーズンがスタート。男子は東京の立川・立飛で開幕戦を迎えた。

 前シーズン優勝の木下マイスター東京と2位の岡山リベッツの対決。エースの林ユン儒を欠く岡山が、五輪候補の3人を抱えるオールスターチームの木下に立ち向かう。木下は水谷隼、張本智和のツインエースに、今シーズン琉球アスティーダから移った丹羽孝希を加え、昨シーズン途中から参戦し、先の全中国選手権を制したベテランの侯英超を揃える強力布陣だ。

 立川の会場は開場の2時間前から開場を待つ観客が列をなした。そして開場後、すぐに超満員。公式発表は 2115人。いよいよTリーグが始まる。

 岡山のポイントゲッターはトップの上田・森薗のダブルス。昨シーズンの優秀ペアだ。そこに木下は丹羽と張本のペアをぶつける。「強い選手同士を組ませたかった」(木下・邱監督)

 出足で両ペアに固さが見られるかと思ったが、1本目から激しい打ち合いになる。張本と丹羽の速攻ペアが出足からリードを奪い、1ゲーム目を5本で先取した。2ゲーム目、ようやく調子を取り戻してきた岡山ペアが5-3とリードする。すぐに木下ペアは5-5に追いつくも、岡山が11-9で取り返し、最終ゲームへ。

 6-6からスタートし、岡山は3本連取で9-6として、最後は上田のチキータが決まり、11-7で岡山が先勝。今シーズンも岡山ペアは強い。

 

トップで木下ペアを破った岡山の上田と森薗のダブルス

 2番は全日本チャンピオンの水谷が登場。対する岡山は吉村和弘。ここは試合巧者の水谷がゲームの主導権を奪い、3,6,8本のストレートで吉村を下し、試合を1-1とした。水谷の安定感はさすがだった。

フォアハンドの調子も良く、2番で吉村和弘を一蹴した水谷

 3番は木下の中国チャンピオンの侯英超に、岡山はTリーグ初参戦の町飛鳥。カット打ちの町が侯のカーブロングと、バックの表ソフトのカットをどう攻略するのかが鍵となる。1ゲーム目は大きなラリーに持ち込み、町が11-6で1ゲーム目を先取。2ゲーム目、侯はカーブロングとカットでジリジリと自分のラリーに持ち込み、取り返す。3ゲーム目も侯は粘りのカットと変化を巧みに操り、11-8で連取。

 4ゲーム目、町のカット打ちにミスがなくなってきた。4-2とリード。しかし、侯が粘り、4-4。このゲームは一進一退、見応えのあるラリーの応酬。しかし、後半で町は侯のカットの変化にミスが出て、11-7で侯が取り、3-1で勝利を収め、木下は2対1とした。

全中国チャンピオンの侯英超は魅せる卓球で町に競り勝った

 4番は木下の張本対岡山の森薗。森薗に対して強い張本だが、1ゲーム目の出足で主導権を奪ったのは森薗で、8-4とリードする。張本のバックのミスが目立つ。9-7と差が詰まったところで岡山はタイムアウト。9-9と森薗は追いつかれるも、結局、張本のバックにミスが出て、11-9で森薗が1ゲーム目を先取した。

 2ゲーム目、徐々にミスが減っていく張本が3-3から一気に8-3と離し、11-7でゲームを奪い返した。そのまま、3ゲーム目も行くかと思いきや、張本は調子に乗りきれずにミスが出る。森薗のフォアドライブも炸裂し、7-3、9-4と森薗リード。11-8で森薗が取り返した。

 4ゲーム目は張本が一気に11-4で奪い、最終ゲームの6-6からの勝負にもつれこんだ。

 いきなり森薗がサービスエースを奪うと木下ベンチはタイムアウト。次の森薗のサービスを張本はバックハンドで空振り。8-6とするも、張本は7-8からストレートへのバックがエッジをかすめたが、岡山から「リプレイチャレンジ」のビデオ判定が要求されたが、判定通りとなり8-8で再開。次を張本が取り、9-8。9-9から張本が3球目のフリックミスで、10-9で森薗がマッチポイント。最後は張本のバックハンドがオーバーミスとなり、森薗が劇的な勝利を収め、5番のヴィクトリーマッチにもつれ込んだ。

「チキータからラリーに入っても得点率があまりよくないデータが出ていたので、きょうはフォア前はフォアハンドでレシーブをするようにした。Tリーグはいろいろな技が試すことができる。今日もいろいろなサービスを試したのが効いていた」(森薗)

実験的な卓球を見せ、張本のリズムを壊した森薗
最終ゲームにもつれ込み、張本は悔しい敗戦を喫した

 5番のヴィクトリーマッチは、1ゲームの11本勝負。木下が水谷、岡山が上田を起用。 

 1-1から水谷の目の覚めるような強打が決まり、4本連取で5-1とするも上田が5-4と迫る。次を水谷が回り込みフォアドライブで6-4、そして8-4と離す。さらに水谷がレシーブ強打で9-4とたたみかける。10-4から10-6と上田はあきらめない。最後は水谷のレシーブでのバックドライブが決まり、11-6で水谷が勝ち、エースの2点取りでこの3時間の激闘を締めくくった。

 開幕戦から見応えのある試合。木下は苦しみながらも、今シーズンの初勝利を飾った。

水谷「(試合直後の)今開放感でいっぱいです。ヴィクトリーマッチは常に胃が痛い。ヴィクトリーマッチでしか味わえない開放感でいっぱいです。今日の会場の雰囲気は最高です」

 敗れた岡山の白神監督は「上田で負けたら仕方ないです。これに林が加われば勝つチャンスはある」と語れば、木下の邱健新監督は「もちろんうれしいのですが、こんなに大変な試合になるとは思いませんでした。選手は優勝することしか考えていない。何も言わずにも彼らはプロだからやるべきことはわかっている」「選手はヨーロッパから帰ってきてすぐなので体調があまりよくなかったし、開幕戦で緊張もしていたと思う。張本はバックハンドでのレシーブが課題だ」と語った。

 水谷は囲み取材でこうコメントした。

「今日はフォアハンドのミスが少なかった。結果は、今の自分の力を出せれば驚くようなことではない。日本でのTリーグは楽しみながらできるのでリフレッシュできるし、やりがいもある。これだけの観客の前でやるのはツアーではないですからね。

 ヴィクトリーマッチにはできるなら出たくない(笑)。それはみんなが思っています。チームの命運がかかっていますから。最後は緊張したけど、勝てて良かったです」

 超満員の観客の中には中高校生などの若い人、子ども連れの家族も多かった。そして、会場のMCに合わせて、大盛り上がり。

 Tリーグは面白い。今年も熱いぜ、Tリーグ!!

Tリーグで生き生きとしたプレーを見せた水谷
苦戦をしたものの初戦を飾った木下マイスター東京