17歳の救世主。韓国の若虎の活躍で岡山が8月以来の勝利を手にする

岡山リベッツ 32 T.T彩たま
2勝6敗 4勝3敗
1 森薗政崇 11-10 11-8 平野友樹
町飛鳥 松平健太
2 吉村和弘 2-11 9-11 11-9 11-5 8-11 神巧也
3 森薗政崇 7-11 11-10 9-11 8-11 モーレゴード
4 趙大成 11-4 11-7 5-11 7-11 11-8 ピッチフォード
5 趙大成 11-7 神巧也

 

ここまで1勝6敗と苦しい戦いが続いている岡山リベッツが、ホームの岡山武道館でT.T彩たまを迎えた一戦。

岡山はキャプテンの上田が欠場だが、韓国から17歳の趙大成が今シーズン初デビュー。どのような起用で、どのような試合をするのかまったく予想がつかない。一方、首位を走る彩たまは黄鎮廷が怪我で欠場になり、ダブルスのペアリングが注目された。

 

トップのダブルス、岡山は森薗/町のペア。「明治大学の1年(森薗)と2年(町)の時に組んだ関東学生選手権以来」というペアだ。ちなみにその関東学生選手権では見事に優勝していることを付け加えておく。彩たまは松平/平野の日本人ペア。ピッチフォード(イングランド)かモーレゴード(スウェーデン)のどちらかをダブルスに絡めてくるのではないかと思っていたが、坂本監督はTリーグで好調の松平と平野を組ませた。

1ゲーム目はスタートから互角の展開が続いて、8ー6と彩ペアがリードしたが、ここから岡山ペアが怒濤の攻撃を見せて4連続得点し、10ー8とゲームポイント。彩たまペアが2点を返して10ー10いなると、最後は激しい打ち合いから町が決めて岡山ペアが競り合いをものにする。勢いがついた岡山ペアは2ゲームはスタートから一気に離して8ー2とすると、そこから彩たまペアも諦めずに挽回したが、序盤の点差が大きく、11ー8で岡山ペアが勝ち、久しぶりにダブルスで勝利を飾った。

森薗(左)と町のダブルスの相性は良く、岡山にとって大きな収穫になった

松平(左)と平野は1ゲーム目を競り負けたのが響いた

 

第2マッチは、岡山は吉村、彩たまは神。吉村は神のサービスに手こずり、粘着性ラバー特有のクセのあるバックドライブにタイミングがまったく合わず、1、2ゲーム目を落とす。試合のペースは完全に神が握っていたが、3ゲーム目に9ー7と神リードから吉村が4連続得点してこのゲームを取ると、吉村の動きが良くなる。4ゲーム目も吉村が取り、6オールから始まる最終ゲームへ。だが、ここから神が踏ん張りを見せて、11ー8で吉村を下し、彩たまが1対1のタイに持ち込んだ。

神はサービスからのフォアドライブとバックの伸ばすドライブで吉村に競り勝つ

吉村は中盤から神のボールに慣れてきたが、タイミングを外された

熱男がチームのピンチを救う1点をもぎ取る

 

第3マッチは森薗と、この試合がTリーグ初出場の17歳のモーレゴード。モーレゴードはラブオールから好プレーを続出。サービスのポジションを次々に変え、台上フリックやフォアドライブ、バックハンドで森薗を攻め立てて1ゲーム目を奪う。2ゲーム目は10ー10からチャンスボールをミスして落としたが、試合自体はモーレゴードが主導権を握っていた。

モーレゴードは予測のつかないトリッキーなプレーが多いが、適当に打つような遊びのボールはなく、どれも得点力が高い。森薗も岡山のエースとして食らいついていったが、モーレゴードの奇想天外なプレーの前に力尽きた。「モーレゴードとは今年4月にワールドツアーで対戦していて、その時は比較的楽なスコアで勝てましたが、今日は正直チャンスがなかった。チキータ一辺倒のレシーブから脱却するためにフォアハンドのレシーブも使うようにしているが、今日のモーレゴード戦ではそれが裏目に出てしまった」と試合後の森薗。

17歳ながら大物の雰囲気を漂わずモーレゴード。彩たまにとって即戦力の選手になるだろう。

トリッキーなプレーだけではなく、フォアドライブの威力もある

総合力を高めるためフォアでのレシーブを使うなどプレーを変えている森薗

勝利の「モーレゴードポーズ」は日本で流行るか!?

 

第4マッチ、岡山はモーレゴードと同じく17歳の趙大成(韓国)が初出場。左利きでフォア側に中国製粘着ラバーを張り、サービスのうまさとフォアドライブに威力がある選手だ。彩たまは先日行われたJA全農チームワールドカップで張本、水谷を下し、日本人キラーで有名なピッチフォードだ。趙大成とピッチフォードは今年7月のワールドツアー・オーストリアオープンで対戦し、ピッチフォードが逆転勝ちしている。

この試合では、趙大成は初出場とは思えないほど落ち着いたプレーを見せる。派手さはないが質の高いフォアのアップダウンサービスでピッチフォードのレシーブを崩すと、キレのいいスイングから放つフォアドライブで得点を重ねる。趙大成が1、2ゲームを快勝し、このまま試合が決まるかと思われたが、ピッチフォードが出した逆横回転サービスを趙大成がツッツキでレシーブする展開が多くなると、形成が逆転する。ピッチフォードは逆横回転サービスからドライブで趙大成のバック側を攻めて2ゲームを取り返し、最終ゲームへ。8オールから強気で攻め抜いた趙大成が勝利し、V(ヴィクトリー)マッチにつなげた。

趙大成のサービスは下回転とナックルがわかりづらい

ピッチフォードは最後まで自信を持ってレシーブすることができていなかった

スピードのあるフォアドライブも趙大成の武器だ

 

1ゲームのみで行われるV(ヴィクトリー)マッチ。岡山は第4マッチで勝利をあげた趙大成、彩たまは神を起用した。出だしで神が2ー0とリードし、その後も点差が離れて6ー3になったが趙大成は怯まない。7ー5で神にリードされた時に岡山がタイムアウト。

「タイムアウトで白神監督から、勝ち負けは気にせずにレシーブはチキータで攻撃していこうと言われ、そこからチキータでレシーブしていった」という趙大成は、そこから5連続得点で試合を決めた。

8月31日の彩たま戦の勝利以来、久しぶりの勝ち星。900人が詰めかけ、岡山のスカイブルーのTシャツを着たサポーターは、地元での勝利に歓喜に沸いた。

Vマッチの終盤からチキータで勝機をつかんだ趙大成

岡山は趙大成という新たなスターの出現により、彼がコンスタントに出場することができればこれまでよりもチーム力が上がるだろう。