今季を象徴する勝利でニッセイがレギュラーシーズン1位を決める!

日本生命レッドエルフ 31 トップおとめピンポンズ名古屋
14勝6敗 7勝13敗
1 森さくら 11-6 11-10 森田彩音
前田美優 梅村優香
2 ユ・モンユ 7-11 11-3 9-11 9-11 リン・イエ
3 赤江夏星 11-3 11-10 11-10 森薗美咲
4 森さくら 11-9 11-3 11-4 森田彩音

 すでにプレーオフ進出を決めている日本生命レッドエルフ、レギュラーシーズン最終戦は昨日に続いて大阪・東和薬品ラクタブドームでのホームゲーム。今日はトップおとめピンポンズ名古屋とのゲームとなった。

 日本生命は勝利すればレギュラーシーズンの1位が確定。敗れても、木下アビエル神奈川が今日の試合で勝利できなければ1位確定という状況で試合に臨んだが、結果は3-1で勝利。見事自力でのレギュラーシーズン1位を決めた。

 1番のダブルス、日本生命が昨日の前田/赤江から前田/森にスイッチ。対するTOP名古屋は森田/梅村の中央大ペアで勝負。1ゲーム目、TOP名古屋ペアは森田のミスが目立ち、日本生命ペアがこのゲームを奪う。2ゲーム目、TOP名古屋ペアも調子が出てきたか、ラリー戦で点差が離れずに試合が進む。しかし、ラリーでも最後に1本押し込んだ日本生命ペアが9-10から2本連取で逆転勝利。試合後に日本生命・村上総監督が「今日はダブルスを取った時点でだいぶ勝率があがった」と振り返ったが、昨日落としたダブルスを日本生命が抑え、試合の流れをつくった。

執念の1本が光った日本生命ペアが勝利

 2番はともにシンガポール代表、今日のエース対決、ユ・モンユ対リン・イエ。第1ゲームは台上から積極的に仕掛け、回転量のあるドライブでリン・イエが試合を有利に運ぶ。YGサービスからの展開も効果的で、ネットやエッジといったラッキーポイントも重なり、7本でゲームを先取。2ゲーム目、今度はユ・モンユがサービスでリズムを作る。巻き込みサービスで得点を重ね、ラリーでも緩急を使いながらリン・イエのミスを誘い、ゲームカウントを1-1に戻した。

 3ゲーム目も、ユ・モンユのフォア粘着ラバーからのボールに苦しんだリン・イエ。うまくいかない試合展開が表情にも出ていたが、集中力は切れなかった。3-6のビハインドから打ち合いや速いラリーに持ち込んで、ユ・モンユに緩急をつけさせず逆転。10-8から1本奪われたところでタイムアウト、次のユ・モンユのサービスを回り込んでストレートへのドライブでレシーブエース。我慢の末に第3ゲームを奪った。流れはリン・イエ、第4ゲームは2-3から7本連取で9-2。ここからユ・モンユに5本連取を許したが、最後は逃げ切ってシンガポール代表の先輩を下した。

両ハンドは回転量抜群のリン・イエ
我慢の試合でスコアをタイに戻した

 日本生命は中学3年の赤江がシングルス2試合目の出場。TOP名古屋は森薗が今季3試合目のシングルス出場。ともにここまでシングルスで勝利がない両者の対戦、1ゲーム目、赤江のサービスが面白いように決まり、レシーブでもチキータ、逆チキータでガンガン仕掛けていく。アグレッシブなプレーで5本連取、6本連取を決めてまずは第1ゲームを赤江が奪った。2ゲーム目、森薗は赤江にレシーブで持ち上げさせ、バック表ソフトのボールでミスを誘って、10-7でゲームポイント。表ソフトの緩急にうまく距離を測れなかった赤江だが、ミスが出ても積極性は失わず。台から出たボールを見逃さずに打ちまくり、4本連取で逆転し、第2ゲームも奪取。第3ゲーム、森薗が中盤で逆転し、10-8でゲームポイントも、赤江がまたしても逆転。3本連取で試合をひっくり返し、ストレート勝ちでシングルス初勝利を手にした。

 攻撃力の高さは圧巻の赤江。横回転系のサービスで台から出るレシーブを誘い、どんどん両ハンドを打ち込んでいく。レシーブでも置きにいくようなボールはなく、つねに仕掛ける意識が感じられる。まだまだ荒さはあるものの、積極性はそのままに、精度を高めていけば、日本のトップに立てるだけのポテンシャルを秘めている。同学年の木原美悠、大藤沙月にも負けない大きなスケール感を感じさせる。

物怖じしない度胸も魅力
笑顔満開のシングルス初勝利
森薗、若さに押されて苦杯を喫した

 勝利、そしてレギュラーシーズン1位に王手をかけた日本生命。勝利を決めたのはシングルス勝利数トップを走る森。森田とバック対バックのラリーになるも、1ゲーム目を競り合って9本でものにすると、2、3ゲーム目はフォアへの揺さぶりにもしっかり対処、パワーで上回り、3点、4点で一気に押し切って今シーズン自身14勝目、そして昨年は逃したレギュラーシーズン1位を地元・大阪のファンに届けた。昨シーズンは「自分が出たらチームが勝てない」とこぼすこともあったという森。村上総監督も讃えた成長ぶりを存分に見せた。

森は女子トップを走る今シーズン14勝、頼れる存在に成長した
最終戦を勝利で飾った日本生命。リーグ1位に森、前田は涙

 オリンピックに向けて早田、平野と主力が欠場する中で1位を勝ち取った日本生命。その中でのレギュラーシーズン1位を村上総監督は森と前田の成長にあるとコメント。中学・高校からトップチームまでの育成システムを確立している点でも、他のチームの先を行くが、赤江ら下部組織のジュニアアシストアカデミーからのTリーグ昇格で新しい育成システムへの手応えも口にした。

 「オリンピック前年でツアーに出ている選手も多い中、出場できる選手で勝ち星を積み上げていけたし、主力が出場した試合では4-0勝ちも多かった。木下(アビエル)さんとは勝利数は変わらないけど、そうしたところで1位になれたと思います。最後の6試合は早田が全部出る予定だったのが欠場になってしまい、そこは少し焦りました。今シーズンは選手も前田もさくら(森)も落ち着いて試合ができていますよね。スタッフもコーチも慣れてきたのは大きいと思います。選手で言えば森の成長が大きい。まさか14勝するとは思っていなかった。

 (育成組織のジュニアアシストアカデミーがあって)Tリーグに出る選手が出て、次は日本代表、というシステムを作っていきたい。今日勝った赤江はその第1号になれる可能性はあると思います。日本だと現状では中学・高校、大学、社会人やプロと、カテゴリーごとでチームや試合が区切られている。そうした垣根を取っ払って、中学や高校の選手が早田や平野と一緒に生活して、一緒の場所で練習する中で間近で見て、身近に感じながら成長していく。Tリーグでは今のところ、そういう仕組みはウチしかできていないけど、ひとつのモデルケースになって、何年後、十何年後に全国各地でこうしたシステム、チームができたら中国を越えられる土壌ができると思います」(村上総監督)

 レギュラーシーズン最終戦とあり、試合後にはファンへのお礼とプレーオフに向けてのセレモニーが行われた。もちろん、レギュラーシーズン1位はゴールではなく通過点。狙うのはプレーオフを制しての2連覇。2年連続で木下アビエルと相見える。

 「(木下アビエルとは)12月30日の試合で、向こうはベストメンバー、こっちはベストメンバーとはいかない中で4-0で勝っている。その試合があって、向こうとしては当たって砕けろという気持ちになっているのが怖いかなと。昨シーズンとは逆の状況ですね。それに耐えられるハートがないと勝てないなと思います」(村上総監督)

 初代女王の強さを見せた日本生命のレギュラーシーズン。日本リーグ時代からの「チーム力」という伝統も武器に、1カ月後、両国国技館で2連覇をかけたファイナルに挑む。

大阪から声援を送るファンとともに、連覇を目指す